シャックス

1つ目はシャックスが足の早いアタッカーであること。
このゲームで先手を取れるというのは重要なことですから素早いというのは大変なメリットです。ですからシャックスに持たせたいオーブは素早さを更に向上させる「エージェント」や「火殻竜」、異常予防効果を持つ「古の狂竜」、シャックスのMEと相性のいい状態異常系、奥義のダメージを底上げする防御無視、「アビシニアン」のような回復や攻撃無効を付与する「ケイブキーパー」などなど、豊富な選択肢が候補として浮かびます。このように、そもそもの選択肢の母数が多いので「ピヨピヨ」の優先順位も自然と下がらざるを得ないということがまず一点。

2つ目は「禁断の書」の存在。
SRオーブ「禁断の書」は「ピヨピヨ」以前から実装されている配布オーブで最大で攻撃力14%上昇、感電特効100%の攻撃、雷ダメージという3種の能力を保有し基本倍率は250%かつリキャストタイム2ターンという強力なオーブです。これがどれだけ規格外なことかは同種の発動効果を持つガチャ排出SRオーブ「フォトンイーター」の発動効果が感電特効100%のみ、かつ基本倍率は250%である事実からも読み取れるでしょう。要するに「禁断の書」は通常のレギュレーションを越えるようにデザインされているのです。実際「禁断の書」はレベルキャップと特性の初期値以外はガチャ排出SSR並みの性能と言っても過言ではありません。平たく言えばぶっ壊れですね。一方で「ピヨピヨ」は恐らく一般的なSSRオーブと同じかやや低めの尺度で作られているので2つを比べるとどうしても見劣りしてしまうわけです。倍率も最大2.9倍と最大2.5倍ですから「禁断の書」でいいと判断する人は少なくないでしょう。また、シャックスに装備させる場合も6倍奥義の火力を大幅に向上させる攻撃力アップ14%のほうが魅力的に感じる場合もあります。これが一点。

3つ目に「ピヨピヨ」の育成難度が高いこと。
滞水状態での雷ダメージ100%アップと感電特効を組み合わせて使うなら最大レベルにまで育てておきたいところです。が、「ピヨピヨ」はSSRなので当然ながら育成難度は高めで★3までの進化素材にRオーブを3つ要求します。ここで要求されるオーブは★1→2で「ヘイトストーカー」(?)★2→3で「ヘルハウンド」と「ギガントアーマー」。「ヘイトストーカー」については記録の信憑性が薄いので割愛しますが★3への進化に使う「ギガントアーマー」、これが問題です。「ギガントアーマー」は3章のアンハルト渓谷でドロップするRオーブですが消費STが高いこともあって複数個所持していないプレイヤーは多いでしょう。もちろんRオーブはステージ初回クリア時に確定ドロップしますが「ギガントアーマー」は人気の高いEXオーブ「ベインチェイサー」の★2→3での進化素材です。既に「ベインチェイサー」の進化に使ったorこれから使うために残すor「禁断の書」があるから「ベインチェイサー」を優先するという感じで「ピヨピヨ」の進化が後手に回る可能性は高いだろうというのが一点。

以上3点。つまるところ優秀なオーブが「ピヨピヨ」の競合相手に多いということですね。
他にもシャックスのステータスが素早さを除いて平均的に収まっていることや、特性の防御力アップ22%よりHPアップ22%のほうが生存には適していることなども挙げられますが、前者はメギドの運用段階での話ですし後者は今の所とらまるしか持っていない特性なので根拠としては薄いです。

と、ここまで散々貶すような言葉を並べてきましたが「ピヨピヨ」を育てる利点は勿論あります。
第一に雷ダメージと感電特効を併せ持つリキャストタイム2ターンのオーブは現状では「禁断の書」と「ピヨピヨ」しか実装されていないこと。
多分これからも実装されないのではないでしょうか。仮に実装されたとしてもリキャストタイム2に収まる可能性は著しく低いと思われます。そのくらいには「禁断の書」も「ピヨピヨ」も破格の性能なのです。

第二に1ターンの間に両方使うことが出来ること。
もとより、「禁断の書」をフルに活用するためには感電した相手に滞水状態を与えるという2つの条件をクリアする必要があります。プレイしていればわかるでしょうが、これ結構難しいことです。相手に付与された異常状態・地形効果を利用するためには行動順や異常を付与するタイミングの調整が必須になります。私は持っていませんがカウンターにはリキャストタイム1ターンのイベントSSRオーブ「青龍号」があるので難易度は下がるでしょう。それでも「禁断の書」を使う度に感電・滞水を揃えるというのは非常に厳しい。しかし、「禁断の書」と「ピヨピヨ」を併用する場合はこれが一度で済みます。仮に特効のない相手に使うとして5.4倍ダメージと5倍ダメージを立て続けにぶつけるわけですから、おおよその雑魚は蒸発して二度目は来ないでしょうし大幻獣相手でもかなりのHPを減らせるはずです。

第三にシャックスが装備出来ること。
矛盾するようですが「禁断の書」はシャックスに持たせるオーブの競合相手にはなりにくいです。なぜなら、シャックスの攻撃力はメギドの中でも中堅。どうせ感電滞水5.4倍を当てるなら攻撃力アップ14%で更に火力が上がる攻撃力の高いアタッカーに装備させるのが現実的です。それではシャックスはどうなるかと言えば感電役として起用したはいいものの、それ以外に役割が求められていないため何か適当なオーブを付けて終わり、という光景は5.4倍火力を期待して「禁断の書」を運用する際によく目にするでしょう。ですが、ここで「ピヨピヨ」があればシャックスの浮いたオーブ枠が第二の火力へ化けます。第二の利点で述べたように敵の異常状態に頼る場合に1ターンで複数回使えることは大変なメリットです。前のターンに感電・滞水を掛けたとすれば、醒ゲージ3からシャックスの奥義も間に合うので、滞水役を含めたメギド3枠から最高で5.4倍、5倍、12倍のダメージをたった1ターンの間に撃ち込めるわけですね。まだパーティは2枠余ってますから成功率も悪くはないはずです。
……というかやってることはシャックスと「禁断の書」を使った従来の編成と大して変わらないですから、短絡的なことを言えば補助に使ってたオーブと「ピヨピヨ」を入れ替えるだけで5倍火力儲けるわけです。

以上3点。総合すると「ピヨピヨ」は極めて優秀な性能を持ちシャックスを起用するパーティの鍵となるオーブである、ということです。
一つ一つの要素を見れば競合するオーブより劣っているところが多いですが、一番手軽に感電を与えられるのがシャックスである一方で攻撃力はメギドの中でも凡庸なことが"感電特効かつ雷ダメージ"起動効果の希少性と噛み合っており、シャックスに装備させるオーブとして申し分ない選択肢に「ピヨピヨ」を浮上させてくれるのではないかと思います。「ピヨピヨ」は「禁断の書」の下位互換ではなく、シャックスだけに許された二発目の「禁断の書」と解釈するのが正しいでしょう。

従って、使い方としてはブネ専用EXオーブ「アビスガード」と同じような扱いになるかと思われます。ブネは素の状態では特性でしぶとく生き残りながら覚醒低下とオーブでトリッキーに立ち回るキャラですが、彼に「アビスガード」を装備すれば列火力キャラとして十二分な能力を発揮するため「アビスガード」はキャラ性能のスイッチングを行えるオンリーワンな性能のEXオーブとして知られています。「ピヨピヨ」は程度の違いはあるものの「アビスガード」と同じです。攻撃力が目に見えて高くはないことから火力よりも素早さを活かしたオーブ支援と感電が主な運用法であったシャックスに、限定的ながらもフォトン1個で放てる高火力が備わることで一転してサブ火力役を任せることができます。「アビスガード」ほど振れ幅は大きくありませんが、シャックスの使用感をスイッチングすることが出来るオーブが「ピヨピヨ」なのです。

結論として「ピヨピヨ」はシャックスと相性がいい・悪いというように判断するオーブではないと私は思います。なぜなら「ピヨピヨ」はシャックスの運用方法を大きく変化させ得るオーブであり、相性という観点の基準となるシャックスと「ピヨピヨ」を装備したシャックスは別物として考えたほうが自然だからです。

私はまだ「ピヨピヨ」は★2で止まっていますが、専用オーブで運用が著しく変化するという「アビスガード」のコンセプトが如何にもキャラ専用の装備品らしくて大好きだったので頑張って育てたいと思います。 -- {oTav75WQy.g} 2018-07-09 (月) 17:59:04


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